2007年7月21日土曜日

私の稀覯本ノート「忘れられた日本人」宮本常一著 (自分史図書館 館長 椎窓猛)

去る5月27日、アクロス福岡で開催の「宮本常一生誕100年フォーラム」に、発起人の長岡秀世氏の案内をいただき参加した。改めて感銘したのは、民俗学者宮本常一に関心を寄せる人々がこれほどいられたのかということであった。4000日、16万キロ、日本の農山漁村、そして島々をめぐり、「旅する巨人」といわれた宮本常一を学ぶことによって今日の日本の状況を見なおそうという良識にほかならないと思われる。
私がこの宮本常一の著書に親しむようになったのも、へき地、山間地に居をかまえていることが大きな要因である。「村の寄りあい」についての宮本常一の記録を読みすすめていると、いちいち首肯されてくる。
「暗夜、胸に手をおいて」考えなされ、足もとを見て物をいいなされと説く村の老人、お堂で集まっての話題、村の文化伝承、子どもの躾、食、住にかかわることなど再考を促す糸口を無数に提供されている。
こうした糸口を発起した長岡さんに私は深く脱帽している。

自分史図書館 館長 椎窓猛

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